このブログの全ブログ記事

ひと休み

| コメント(0) | トラックバック(0)

 二日前だったか、ぼくのエントリーへの批判を読んだ。他の人たちのコメントは賛成意見であれ反対意見であれ、巧拙を問わず、それなりに興味深く読ませていただいているが、その批判だけは身につまされるものがあった。

 その理由は、第一に、在日コリアンの若い子が批判者だったこと、第二に、おそらく四世の世代であるにもかかわらず、批判の内容が二世的なルサンチマンを引きずった痛々しいものだったこと、第三に、したがって批判の内容はぼくが若いころに民族運動家から受けた理不尽な批判を思い出させるものだったこと。

 批判の内容そのものは愚にも付かないものだったけれども、傷ついて防衛的になって過敏になって、そして傷口をさらけ出しながら必死に社会に向かって何かを訴えようとしている様子が痛々しくてね。21世紀にもなってこんな子がまだいるのか。その批判がコトもあろうにオレを向いてるのか。

 ツイッターで話しかけてみると、じつは日本人で、単なるカルスタ系の差別オタクだったみたい。いや、なんというか、ホッとした。かなり。本当に、よかった。

 そうそう、批判の内容が愚にも付かないと書いたけれども、もうぼくがネットにどういうことを書いてきたのか知らない人が多いんだなと実感しているところです。HANBoardから、一つだけスレッドを紹介しておきます。もし、それなりに興味深いと思ったら、過去ログを読んでみてください。在日コリアンがもぐら叩きにどれだけ疲弊させられるものか、わかるかもしれない。

http://han.org/hanboard/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1436;id=

 あと、ぼくのエントリーに直接コメントを付けてくれたみなさん、ありがとう。コメント欄にリプライはほとんど付けていませんが、ちゃんと読んでいます。まあ、もう不毛なもぐら叩きはやりませんが。

 このブログには名前をつけるつもりはなかったので、しばらくの間、「金明秀の公式ブログ」とだけ題していました。ところが、知人から、「金明秀 公式ブログ」はダメダメやろ(笑)!と痛罵されましてね。

 でも、名前をつけると特定の方向性に縛られてしまうことがあります。そこで、意味がわかりにくければ名前をつけないのと同じだろう、と考えて決めたのが現在のタイトル《Whoso is not expressly included》。読めない記号を名前にしたPrinceの気分...ちょっと違うか。

 タイトルの意味は解説しないつもりでしたが、キザったらしいと思われたらイヤなので、この辺でさりげなく書いておくことにします。

 出典は、ゲオルク・ジンメル「秘密と秘密結社」の英文翻訳版です。Georg Simmel, "The Sociology of Secrecy and of Secret Societies," American Journal of Sociology 11 (Trans. Albion W. Small) 1906.

In  contrast  with  the  fundamental  principle:  Whoso is not expressly excluded is included, stands the other:  Whoever is not expressly included is excluded.

 野村一夫さんが「排除されていない者は包括されている」というフレーズでこの一文を紹介していますので、知っている人も多いでしょう。

 でも、翻訳英文を見てもらうとわかるように、「排除されていない者は包括されている」には対置される命題があるのですね。「包括されていないものは排除されている」です。これを野村一夫さん風に深読みすると、他者化されるマイノリティということになりますか。つまり、最近ぼくが書いている一連のエントリーのテーマと密接に関連する文章になるのですね。

 ブログの方向性を定めたくないという気持ちもありましたが、けっきょく、これまでに書いてきたものは、他者化された位置から、他者化する視線を批判するというものが多かった。おそらく、ぼく自身がWhoso is not expressly includedの一人だからでしょう。

 そういう意味で、はじめは気乗りしないままつけたタイトルですが、まあこのブログにふさわしいものになったんじゃないかな、と今では思っています。 

 このブログは主として学生向けにひっそり運営してきたつもりでしたが、ツイッターのプロフィールに書いたとたんにオープンになってしまいました。仕方がないというわけではありませんが、それならそれで、今後は幅広い読者を念頭に書いていくことにいたしましょう。

 さて、オープンになったとすれば、一度は断っておかなければならないことがあります。

 このブログはハンワールドというサイトに設置されているわけですが、1996年から2003年初頭までは HANBoard という電子掲示板が代表的なコンテンツでした。掲示板を閉鎖する際、ぼくは、なぜ閉鎖するにいたったのかについて理由は別途詳述する、と述べました(#2425#2454、等)。が、その約束は果たされずに今日に至っています。

 というのも、HANBoardを閉鎖した当初は、ブログの形式で主張を整理していく予定でした。ところが、いざ原稿を書こうとして過去ログを参照したところ、当時の掲示板を開始した直後の投稿(#67)に、執筆しようとしていた内容の多くをすでに書いていた、と気づいてしまったからです。#67から#2425までの1年半余りは、完全に無駄だったということになるわけですから、愕然としましたね。

 ともあれ、これ以上なにを書いたところで、もはや嫌韓ネトウヨが構築するフィクションは押しとどめようもなくインターネットに蔓延している。そう、はっきりと再認識したのですね。上述の約束を放棄したのは、そういった理由からです。

 HANBoardは、実際のところ、在日コリアンのためというより日本人のために開設されていたものです(例えば#2457参照)。その意義が理解されるような、何かまったく新しい状況が日本のインターネットに到来しないかぎり、同種の活動は無期限で延期することにいたしました。

 だから、このブログは、在日コリアンのためだとか、日本社会のためだとか、そういう公共性を直接の目的とはしておりません。それはぼくの手に余ることがわかったし、また、それが生かされるような状況でもない。

 そうではなく、金明秀の個人的なメモとして、書きたいことを書き留めていく。そういう場として、活用していきたいと思います。

 本日以前の日付で保存されている記事は、いずれも前任校における学生サービスとして試行的に執筆されたものです。(文中に出てくる「bruin」とは旧ブログにおけるボクの別名です)

 前任校での試みは、大学URLのヒモ付きブログがどういう可能性を持つかを探るうえで、たいへん有意義だったと思います。しかし、試行の結果が思わしくなかったや、ボクが職場を変わることに決まったことで、2008年10月にひとたび閉鎖いたしました。

 閉鎖に際して、外部からの反響はとても限定的でした。対外的な業務としてみれば、労力に比して成果があまりにも乏しかったといえるでしょう。ただ、在学生や卒業生から「残念だ」との声が聞かれたことがずっと心残りでした。

 そこで、職場が変わったのを機に、金明秀個人のブログに形を変えて、執筆を再開したいと思います。

 在学生、卒業生、所属校を問わず、ボクの声に耳を傾けてくれる方々とのコミュニケーションツールに育っていってくれたらいいのですが。

閉鎖のお知らせ

| コメント(2) | トラックバック(0)

 この1年半ほど、「大学業務としてのブログ」の可能性を探ってきましたが、だいたい状況が分かってきました。結論から言えば、メリットよりもデメリットのほうが大きいですね、日本では。

 加えて、いろいろな事情があって、このブログの継続は事実上不可能になりましたので、本日をもって更新を停止することにいたしました。

 長い間、ご愛読ありがとうございました。

 このブログに訪れる学生たちを読書に誘導しようと考えて、Amazonのアフィリエイト広告を貼り付けてみました。「Amazonおまかせリンク(R)」という、いわゆるWeb2.0的なキーワードマッチングによる広告です。説明文を引用してみましょう。

Amazon おまかせリンク(R)を利用すると、アソシエイトメンバーそれぞれのWebサイトに適した商品を自動的に表示することができます。たとえば、数千規模のDVDレビューコンテンツを持つサイトの場合は、レビューされたDVDやそれに関連するタイトルが表示されます。リンク作成時の設定に応じて、カバーイメージやAmazon.co.jpでの最新価格も自動的に表示されます。この例の場合、DVDストアの商品のみに限らず、関連性があれば他のストアの商品が表示されることがあります。映画のサウンドトラック、特定の映画に関連したビデオゲーム、関連キャラクターのおもちゃなども表示対象になりますので、特別なメンテナンスなしに購買率を上げることが可能です。
 というのですがねぇ。しばらく試してみて確信しました。マッチング精度が低すぎる!

 まあ、このブログはテーマが多様なのでSEOには向いてない(教育なら教育、バイクならバイクに特化したブログのほうが検索エンジン対策に有効です)し、したがってサイト全体のキーワードがバラついてしまうのもしょうがない。

 でも、カテゴリー・アーカイブのページ(右のウィンドウの「カテゴリー」欄にあるリンク)は話が別です。ある程度テーマが一貫していますので、単語に分解していけば出現頻度の高いキーワードを拾い上げることが可能です。たとえば、カテゴリー「バイク」の全ページを、chasenなどの分かち書きソフトウェアで解析すれば、確実にバイクという単語が最頻語になるはずです。つまり、カテゴリー・アーカイブはキーワードマッチングに適した内容になっているはずなのです。

 にもかかわらず、まともな関連書籍が表示されたためしがない。どうやら、「Amazonおまかせリンク(R)」ではちゃんとしたキーワードマッチングは行っていないようです。

 かといって、キーワードマッチングの効率がいいというだけでGoogle AdSenseを入れるのは、学生たちを読書に誘導するという目的に合わないし。

 そう都合よくはいかないなぁ。

追記:「社会・政治」カテゴリーの書籍を表示するように変更しました。

 おととしは1年間大学から休みをもらってニューヨークで勉強してました。とはいえ、せっかくアメリカまで行くのにニューヨークだけではもったいない。で、バイクを持ち込んで、夏に休暇と調査をかねて北米大陸を一周しました。

 3ヶ月のロングツーリングでしたので、いろんな発見がありました。別の場所で書いたツーレポですが、加筆・修正を加えて、こちらにも転載していきます。

 今回は「2種類のキャンプ場」

Denali National Parkのキャンプ場。ひとつの区画が30m×10m以上で、テントとテントはいちばん近いところでも20mほど離れている。 北米には2種類のキャンプ場があります。いや、いろんな「2種類」があるでしょうが、ここで紹介したいのは「宿泊客どうしが仲良くなるキャンプ場」と「ほとんど口もきかないキャンプ場」の違いです。その二つを分ける原理はとても単純で、テントとテントの距離が近ければ前者になり、距離が遠ければ後者になります。ただ、樹木などの障害物があれば後者になりやすいかも。

 心理学にはパーソナルスペースという概念がありますが、逆にソーシャルスペースとでもいうべき距離感がおそらくあるのでしょう。ぼくが知らないだけで、すでにそういう概念はあるのかな? ともかく、"その範囲内だったら対人関係を築かないと気まずい距離"というのがどうやらあるようなのです。

 その範囲のなかの人とは、話しかけるストレスより、話しかけないで見知らぬ関係のままでいるストレスのほうが強いため、積極的に挨拶をしたり話しかけたり夕食に誘ったりして、顔見知りの安心できる関係になろうとする。
これはかなり極端な例だけどBillie's Backpackers Hostelのキャンプグラウンド
 逆に、その範囲を超えるような位置にいる人は、話しかけるストレスのほうが話しかけないストレスよりも強いため(あるいは両者が拮抗すると判断に困るというストレスもあったりして)、バスルームとかで近づかないかぎり、基本的には挨拶以上の関係にはなりにくいです。というより、いつソーシャルスペースに侵入してくるかわからないのはけっこう強いストレスの元なので、見えないもの、存在しないものにして無視してしまうという戦略に出たりします。つまり挨拶すらしないことも珍しくありません。

 どっちのキャンプ場がいいかはそのときの気分しだいですが、ツーリング中のぼくは「仲良くなるキャンプ場」のほうが好きでしたね。人恋しいからという理由ももちろんありますが、食事代や酒代が浮くというメリットもあります。どこかで大量にスープでも作ってたり、どこかで酒瓶を並べてたりしますので、「ハーイ!」っていいながら近づいていけば、もう食事や飲み物の心配はいりません。そうやって図々しくたかって食費を節約していました。名づけて「モーターサイクル・ダイヤリーズ戦略」。チェ・ゲバラもやったんだと思えば多少は羞恥心と罪悪感がマシかなと。

 これまでは学内限定のブログで学生向けにエントリーを配信してきましたが、今後はこちらのサーバーでオープンにやっていきます。

 学内限定のブログにはSNSに似た特長もあって、将来的にはいろいろな可能性も考えられるのですが、やはり現時点では一般に公開してはじめて意味があると思います。

 まぁ学校名のヒモ付きではありますが、角が立たない範囲で思いのたけを綴っていくつもりです。

    follow me on Twitter

    このアーカイブについて

    このページには、過去に書かれたブログ記事のうちこのブログカテゴリに属しているものが含まれています。

    前のカテゴリはhan.org更新通知です。

    次のカテゴリは教育です。

    最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。