日本学術会議会員推薦者の任命拒否に対する声明
日本解放社会学会理事会
2020年10月7日
日本学術会議は本年8月31日に新会員候補105名を推薦したが、これに対して、総理大臣は新会員99名のみを10月1日に任命し、候補者6名の任命を拒否した。
日本学術会議法に記された独立性の規程からいっても、「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない」「政府が行うのは形式的任命」(1983年の国会答弁)という立法の趣旨・背景からいっても、こうした恣意的な運用は法の支配を逸脱するものである。
また、内閣法制局は10月2日に開かれた野党合同ヒアリングの場で、2019年に「合議」によって同法の運用解釈を確定させたという。このことについては、「解釈権の枠を超えた、立法権の簒奪」(日本私大教連)という指摘もある。
日本解放社会学会は、これら一連の政府による決定に対して、国家の法的基盤を揺るがし、学問の自由に対する攻撃となるのみでなく、権威主義的、同化主義的に言論の異質性を抑圧するものであるとして、強く抗議する。また、政府に対して、推薦された6名の会員の任命拒否理由の開示と、任命拒否のすみやかな撤回を要求する。