レイシャル・ハラスメントとは

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 レイシャル・ハラスメントという言葉がある。米国ではセクシュアル・ハラスメントと並んで、就業環境を害する言動としてしばしば損害賠償命令が出されている。具体的には、深刻な人種的差別が発生してもそれが放置された場合、あるいは人種差別的な状況が長期的かつ職場環境全体に蔓延している場合に、不法性が問われている。

 米国の裁判所が被害を認定しやすいのは後者のケース、つまり環境型ハラスメントだ。例えば、特定の人種や民族をからかうジョークが日常的に話されているとか、ある国出身の労働者がいるときその国を誹謗するようなポスターがずっと掲示されているようなケースは、「敵対的環境」を放置したとしてレイシャル・ハラスメントだと認定されやすい。職場のいじめに人種的な侮蔑を用いてしまえば、それも環境型のレイシャル・ハラスメントだ。

 ヘイトスピーチの横行する昨今の状況を見ていると、遠からず日本でもこうした事例が法に問われるようなケースがあらわれるだろう。その際、人種差別撤廃条約の規定により、損害賠償額が加算されることも考えられる。企業の組織防衛のためには、セクシュアル・ハラスメントよりも危険な存在だといえる。

 経営者諸氏およびガバナンス・コンプライアンス担当者は、諸外国の事例を参考に早期に対処を進めておくべきだろう。

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このページは、mskimが2015年5月26日 08:45に書いたブログ記事です。

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