朝鮮学校除外は明白な「児童の権利に関する条約」違反

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 まず、日本政府が1994年に批准した「児童の権利に関する条約」から、2つの条文を紹介します。

第2条
1 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。

第29条
1 締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。
(a) 児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。
(b) 人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。
(c) 児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。
(d) すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。
(e) 自然環境の尊重を育成すること。

 第2条を読めば、政治的主張を理由として朝鮮学校のみを無償化対象から除外するのは、明らかに同条約が禁止する差別ということになります。日弁連の会長声明が明快に断言したように、法的な観点からは「この差別を正当化する根拠はない」のです。朝鮮学校のみを無償化対象から除外することは、きわめて違法性の高い差別政策だということになります。この点に議論の余地はありません。

 しかし、このことについてはすでに「橋下府知事の発言をめぐる諸問題」において簡単に触れていますので、今回のエントリーでは第29条をテーマに取り上げたいと思います。

 第29条第1項の(C)は、民族教育の尊重を謳った条文です。ややあいまいな記述にはなっていますが、民族文化や出身国の政治的伝統を重視した教育は、「18歳未満のすべての者」(第1条第1項)にとっての権利だというわけです。

 気づいている人はあまり多くはありませんが、日本人はちゃんと日本の学校で民族教育を受けています。まず、日本語の教育を受けられますね。日本の歴史も学べます。しかも、2千年も歴史の違うギザのピラミッドと仁徳天皇稜を比べて、日本の陵墓が世界一だと誇らしげに記述してあったりします。高校だと柔道や剣道を正課で学ぶこともできます。《立派な日本人》になるための教育がいろいろと用意されているわけです。

 その結果、諸外国の青少年に勝るとも劣らない強さの国民的プライドを日本の青少年は持っている、ということが国際比較調査によって明らかになっています。日本の教育を受けると自虐的になると批判する人もいますが、そのような事実は科学的には観察されていません。

 一方、在日コリアンはどうでしょうか。日本の学校に通うかぎり、在日コリアンとしての民族教育を望むことは難しい。事実、私が1993年に関わった調査では、韓国籍の青年のうち、母国語を「まったく話せない」か「いくつかの単語しか知らない」者が7割を超えています。いわば、民族的に文盲のまま放置されているわけです。

 しかも、日本の教科書には、朝鮮半島の歴史は「わざとか?」というほど登場しません。 出てくるといえば被征服の記述が中心となります。それで、ルーツに誇りを持って健全に生育せよというほうに無理がある。上述の調査で、「あなたはこれまでに,在日韓国・朝鮮人である自分を嫌だと思ったことがありましたか」という設問に対して、64%が「あった」と回答しています。

 そうした中で、体系的な民族教育を全国規模で実現している唯一の機関が、朝鮮学校です。日本人の子どもたちが日本の学校で自然な日本人に育っていくのと同じように、朝鮮人の子どもたちが朝鮮人として自然なプライドを身につけていくことができる、唯一の環境だということもできます。

 ミクロなレベルでいえば、日本の学校に通いながらも、在日コリアンとしてのプライドを持つにいたるケースも中にはもちろんあります。しかし、マクロなレベルでいえば、朝鮮学校を否定するということは、実質的に、在日コリアンに対する民族教育の機会を否定するということです。

 大阪府の橋下知事は、朝鮮学校を、その政治的姿勢ゆえに批判していますが、だったら、朝鮮学校と同等の民族教育を保障する政治的に中立なシステムを府下に作ってみればいい。その上での朝鮮学校批判ならば説得力もありますが、現状のやり口は、権力をかさにきたレイシズムの吐露にしか見えません。

 民族教育の多様な選択肢がある中で朝鮮学校だけが攻撃に晒されているのならば、(もちろん、それも人権侵害ですが)まだしも救いはあります。しかし、朝鮮学校は、日本で在日コリアンの児童に権利として民族教育を保障する、現状で唯一の機関です。

 したがって、朝鮮学校のみを無償化の対象外とすることは、実質的に、在日コリアンの子どもたちが在日コリアンとして健全に生育する機会を否定するのと同じだということです。

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The place of dispatch - 国際条約 2 (2010年3月25日 21:02)

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コメント(6)

在日コリアン3世で関西学院大学在学中の者です。
一言で言ってあなたの主張は迷惑だし、あまい!!
法律をかざすのは結構ですが、北朝鮮がどんな国かはご存知でしょう。日本にとって至極、有害な国家。そんな国の、パイナップル野郎の肖像画を掲げている学校に日本国民の税金を使う?
馬鹿げた話でしょう。大体、無償化から除外しても別に教育内容をどうこうしろの話じゃないでしょう。民族教育をやりたければ勝手にすればいい。あなたの主張がこれから日本で生きていく私たちにとって非常に迷惑。国に頼るな。日本人は学費がただで、在日コリアンは有償?別にいいでしょう。そこから私たちは強くなれる。それにガタガタ言うなら韓国・北朝鮮で暮らせばいい。できれば早めに帰っていただきたい。

もし、朝鮮学校を廃止せよ、あるいは金正日体制を賛美する教育を止めよ、という事であれば児童の権利に関する条約」違反にあたりますが、豊かな日本に住み、民族教育を受ける事を妨げるものは何もありません。

ちなみに、各国にある日本人学校は、企業や親の寄付金などで運営されております。各国の公金を拠出してもらうなど聞いた事がありませんよ。
でも、それを差別とは思わないし、各国で苦労しながらも頑張って運営している様です。

施しを受けず、今まで通り、総連がお金を出せば済む事では無いですか?
何か今まで貰っていたものが貰えなくなる、という感じで書かれていますが、何も変わらないじゃないですか。

ksyさんの言われているように、海外の日本人学校に通いましたが、外国で補助を得られるというのはきいたことがありません。

今回の件に関しては、インターナショナルスクール全般を除外すべきだとは思いますので、朝鮮学校を除外するというのはおかしいとは思いますが、そもそもインターナショナルスクール全般が無償化の対象となるのには疑問を感じています。

また「日本の教科書には、朝鮮半島の歴史は「わざとか?」というほど登場しません。 」と書かれていますが、これはわざと行っていることではないと思いますよ?

韓国の教科書には日本の歴史はどれだけ登場するのでしょうか?

私はアメリカ、フランスの教育もうけましたが、フランスでは、イギリスがかつてノルマンディーを征服していたという歴史はほとんど取り上げられません。ナポレオンの輝かしい栄光、第一次世界大戦、第二次世界大戦の戦勝が中心です。

アメリカの歴史もそのとおりで、例えばメキシコの歴史なんていうのはほとんど登場しません。メキシコ相手の戦争に買ったこと。そしてテキサスやカルフォルニアなどがアメリカの領土となったことだけです。

日本の教育が極端に偏っているということはないかと思います。

mskimさん>朝鮮学校のみを除くというのはおかしいという点は同意です。

指摘したかったのは、朝鮮の歴史をわざとか?というほど取り上げていないという点です。

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    このページは、mskimが2010年3月13日 13:08に書いたブログ記事です。

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