大学でのセクハラ #3

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 先日、ちょっと必要があって、セクハラについて少し学生の意見を聞いてみました。 

質問3 でも、女子学生が冷静になってよく考えてみると、その教員に対して抱いていたのは、「先生への敬意」であって、「恋愛感情」ではなかった。性的関係を持つことは本意ではなかった。不本意に性的関係を持ったのだから、これはセクハラなんじゃないか?
 こんな感じで、学生のほうから誘った場合でもセクハラとみなされるかどうかについて6つの質問に答えてもらいました。選択肢は「セクハラだと思う」「わからない」「セクハラではないと思う」の3点尺度。

 6項目全体を通じて、「セクハラだと思う」と回答したのは23%ぐらい。そして、その倍の約半数が「セクハラではないと思う」という。うーん。学生から誘った場合は、セクハラではないという意見が多数派です。けっこうセクハラ認定にシビアですね。

 でも、例えば訪問販売の場合、クーリングオフ制度があります。訪問販売では、何人ものセールス担当から強く勧められたり、甘言に乗せられたりして、意思がハッキリしない状態でも契約の申し込みをしてしまうことがあるため、買い手が頭を冷やして考え直す猶予を設けて救済するための制度です。商取引だって、非対称的な関係の場合には一定の留保がつくわけです。

 ぼく個人としては、教員と学生の関係も同じだと思うんですがねぇ。

 たぶん、「誘った」という時点でアウトなんでしょうね。もう少しボカして、例えば、「慰めてもらいたいと思って抱きついたところ、あっという間に性行為に転じてしまった」だったら、まだ「セクハラだと思う」という回答は多くなったのかもしれません。でも、こんな聞き方だと、質問自体がセクハラの要件を満たしそうです。

 ところで、セクハラについては、多くの企業や大学が就業規則に規定を設けています。どこかで雛形を作成したものが流布したのでしょう、だいたいどこでも似たような規定が並んでいます。例えば、こんな感じ。

次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1)容姿及び身体上の特徴に関する不必要な発言
  中略
(7)性的な言動により、学生等の修学意欲や他の教職員の就業意欲を低下せしめ、能力の発揮を阻害する行為
(8)交際・性的関係の強要
 この第8号は解雇の要件ですが、「強要」したかどうかの証明は事実上不可能です。たとえどんなに強い訴えがあったとしても、証拠がないかぎりは第7号で処置せざるをえず、懲戒は重くても減給どまりです。

 じつは、うちの大学ではセクハラ防止規定を就業規則に明記することが遅れていて、先日ようやく改定が行われたところです。冒頭で「ちょっと必要があって」と書いたのは、この第8号をそのまま就業規則に載せるのは問題なんじゃないかと思って、その下調べをするためでした。結果が上述の通りでしたので、会議では「問題があると思う」とだけ発言してスルーしましたが。

 信州大学ではどういう根拠で諭旨免職にしたんだろう。気になるところです。

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このページは、mskimが2007年7月24日 10:57に書いたブログ記事です。

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